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お年寄りを敬う国・韓国で「高齢者の自殺」が異様に多いワケ

こんな事情があった

世界の中でも高い死亡率

ソウルで地下鉄に乗るとシルバーシートでなくても若者が高齢者に席を譲るところをよく目にする。儒教の影響が強い韓国では、高齢者を敬う精神が色濃く残っていると考えられる。しかし韓国の高齢者の生活は想像以上に厳しそうである。これを自殺死亡率の観点からみてみよう。

韓国はそもそも自殺死亡率が高い。OECD加盟国の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)をみると、韓国は2016年で24.6と最も高くなっている。ちなみにOECD加盟国で自殺死亡率が20を超えているのは韓国とラトビアのみであり、この二カ国が自殺の面からはワースト2トップといえよう。

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なお日本はOECD加盟国のなかでは高い方ではあるが、15.2であり韓国と比べれば自殺死亡率が10ポイント(すなわち、10万人当たり10人)ほど低い。

しかし1980年代後半には、日本の自殺死亡率は韓国の2倍ほど高かった。具体的に見ると、1986年から1990年の平均値は、日本の自殺死亡率は19.2であったが、韓国は7.8にとどまっていた。その後は差が縮小していき、2008年には韓国が上回った。

韓国では、1990年代中盤から自殺死亡率が高まりし、1998年には通貨危機後の景気悪化もあり高まった。その後はいったん低下したものの、2000年以降は急激に高まり、リーマンショック直後の2009年には33.8でピークに達した。2010年以降は下落に転じ、2012年には30を切ったが、それでもOECD加盟国で最高の自殺死亡率となっている。