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『テラスハウス』花さん自殺は、SNSじゃなくて番組事業者の問題だ

現代日本のいじめとカスケードの構造

木村花さんの「刈り取られた人間性」

リアリティショーとして評判の高かった『テラスハウス』ですが、私もここしばらくきちんと観ていなくて、いま向き合っている自分の人生がリアルすぎて時間がなかったんだと言い訳しつつも、亡くなられたと聞いて観直したりしておりました。

ネットが当たり前に使われるようになって、番組とネット(SNS)とが視聴者によって自由に行き来できる状況になると、ある種「テレビの中の、映像作品上の演出」が、そのまま本人の評判、ブランディングに直結してしまう。

それが本人に対する誹謗中傷では収まらない、非常に強いバッシングに繋がっていってしまうのは往々にしてあります。

テレビ番組出演者の方の本当の人格など分かるはずもないのに、テレビ番組を面白くするために行った編集や演出で、それがその人の本性だと視聴者は思い込んでしまい、気に入らないとバッシングして当然、となってしまう。

番組の中、ネットの向こうにいるリアルな人格と演出で刈り取られた人間性とを重ねてしまうわけですね。

そういう状況で、自らの命を散らしてしまったテラスハウス出演の木村花さん、本当に残念です。「ネット上での誹謗中傷」とどう向き合うか、それから「リアリティショー」の抱える問題について、自分のYouTubeチャンネルでも解説してみました。

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いろんな論考が出回っていますけれども、個人的には、誹謗中傷の舞台となったSNSに責任をおっかぶせ、他人を中傷するのはけしからんということは重要だけど、その背景にかかる議論があまりないのは残念です。

もちろん中傷の場となってしまったのはネット上のSNSではありますが、それはあくまで視聴者のリアクションに過ぎないのであって、その原因を作ったのは番組に他なりません。

そして、何よりも、この木村花さんというのはどういう人物であったのかも含めて、きちんと偲んで、散った若い命を惜しむ寄り添い方が少ないように見えたのも、悲しい気分になります。

もしも私の息子たちや、生れたばかりの娘がそういう労苦に苛まれることになったらどうしようとも思います。

 

私自身は、それこそ17歳ごろからパソコン通信に入り浸り、47歳になったいままで足かけ31年にわたって煽り煽られ楽しくやっておるわけですが、やっぱり消えて行ったネットの有名人の経緯を見ていると、まずは生活の大きな変化(結婚や就職、出産など)があり、次いで誹謗中傷で心が折れる、創作意欲が失われる、といった側面はどうしてもあると思うんですよ。

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