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取材中に集団暴行され「文春砲」のお世話になった元朝日新聞記者の告白

「マスコミとネタ元の距離感」とは

「黒川氏辞任」で終わりではない

黒川弘務・前東京高検検事長と、朝日新聞社員、産経新聞記者による「賭け麻雀」の問題を受け、世論は黒川氏に対する処分の甘さについて盛り上がっている。さらに、検事総長に次ぐ検察ナンバー2の地位にあった権力者の黒川氏と大新聞が、ずぶずぶの関係にあったことの方を疑問視する声も出ている。

いずれにせよ、世論が追及するこの2つの問題は「本丸」ではない。政府答弁を変更し、法の安定運用や検察官同一体の大原則をも無視してまで進められた黒川氏の定年延長は、結局、誰がどのような目的で画策したのか、本当に黒川氏は「権力の庇護者」だったのか、その全体構造を明かすことの方が重要だ。「官邸」が関与したとの報道もあるが、ただ「官邸」では、いったい誰のことなのかさっぱり分からない。

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さらに言えば、今回の件で、黒川氏が賭け麻雀の現場である記者の自宅マンションに入るところが写真に撮られ、週刊文春に掲載されているのも不自然だ。いくら「文春砲」とはいえ、個人のマンションで娯楽に興じる情報を把握するのは難しいだろうと推測するからだ。

そして、7~8年前に黒川氏を乗せていたハイヤーの元運転手まで登場し、車内で聞いた話として、「動くのは少ない時でも4万円~5万円」などと細かい数字まで鮮明に語っている。昔の元運転手までたどり着けるところが色々な意味で凄いし、その元運転手が、「顧客の秘密」を平気でペラペラしゃべって、記事化を認めている点には違和感を覚える。黒川氏が何者かに尾行されていたか、麻雀仲間や関係者に「裏切り者」がいたか、どちらかではないかと勘繰ってしまう。

週刊文春の記事には「産経関係者が明かす」との表現があり、ネタ元が産経新聞関係であることを明記している。一般的に、こうした記事では情報源の特定につながるような表現は避けるはずだが、この点も不自然だ。

この「黒川問題」を、賭け麻雀と黒川氏の処分の軽重の問題として終わらせれば、結局ことの本質を見失ってしまう。その陰で画策した者はきっと、ほくそ笑んでいることだろう。ニュースの出方からして、何らかの思惑、陰謀めいたことが裏にありそうなことは容易に想像がつく。

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