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中国全人代、異例の「短縮ずくめ」が示す習近平主席の権力増大

李克強首相の見せ場はわずか56分に

今年の全人代の「隠れた主旋律」

常に前例を踏襲して、「例年通り」執り行うことを良しとする中国共産党政権が、例年より79日も遅らせて、中国の国会にあたる第13期第3回全国人民代表大会(通称「人大」=レンダー)を、北京の人民大会堂で開始した。

会期は、5月22日から28日までの6日間。例年は10日から15日程度行うので、会期も短縮された。

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今回の「人大」を日々、見ていて思うのは、何かと「省略形」が多いことだ。表向きは「新型コロナウイルスの影響」ということになっているが、決してそれだけではない気がする。それは、14億中国人のトップに立つ習近平(Xi Jinping)国家主席の身になって考えると、分かりやすい。

習主席とすれば、本心では「人大」など開くのも億劫なのではないだろうか。そもそも中国では、国の重要事はすべて、「中国共産党中央政治局常務委員会」(トップ7)で決めるため、「人大」の形骸化は常々、指摘されているところだ。それでも毎年開いているのは、国会を開かないと、政権の正統性(レジティマシー)が保てないからである。

日本の右派の論客たちは、「中国は独裁国家だ」と非難するが、少なくとも形式的には、いかなることも法に基づき、手続きを踏んで決定している。例えば、次期国家主席など5年も前から内定していたりするのだが、形式的には「人大」の3000人近い代表が一人ひとり壇上に上がって、候補者の名前を書いた紙を投票箱に投票し、決定している。

私が言いたいことは、習近平主席及びその周辺が、新型コロナウイルスにかこつけて、今年の「人大」を、一気呵成に「短縮形」にしてしまったのではないかということだ。短縮形だろうが、手続きを踏んで決定すればよいのである。ちなみに隣国の北朝鮮は、毎年の最高人民会議は、たったの1日だ。

 

中国も、理由はともかく、前例に逆らって短縮形を可能にしたということは、習近平主席の権力基盤が強まっている証左とも読み取れる。このことが今回の「人大」の「隠れた主旋律」になっている。

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