Illustration by RADIANT

私たちの体が電源に?「尿発電」「植物発電」でセンサが動く仰天研究

電池が不要になる「無線給電」も実現へ
私たちの体から出る熱や体液、あるいは植物の樹液で「発電」できる――。

立命館大学理工学部の田中亜実講師は、尿を使って発電し、おむつ交換の時期を知らせる「バッテリレス尿失禁センサ」の開発に成功した。

(立命館大学研究活動報「RADIANT」より転載)

おむつ型の尿発電電池が完成!

太陽や照明の光、機械が発する熱や振動、人の運動エネルギーなど身の回りに存在する極めて小さなエネルギーを取り出して電力に変換する。そんな「エナジーハーベスト(環境発電)」が近年注目されている。

あまりに電力が小さいためにこれまでは捨てるしかなかったエネルギーを有効活用する技術としてさまざまな応用が期待されている。

電池のいらないバッテリレス端末を研究開発している田中亜実もエナジーハーベストに着目する一人だ。とりわけ田中の研究がおもしろいのは、世の中をあっと言わせる用途を見出すところだ。

その一つが、尿を使っておむつの交換時期を知らせるバッテリレスの無線尿失禁センサシステムの開発である。

「たとえば介護で尿失禁のお世話をする場合、おむつを取り替える必要があるか、定期的に確かめなければなりません。もしおむつに尿漏れセンサを取り付け、おむつの状態をセンシングできたら、介護する人が何度もおむつを確認する負担を減らせるとともに、介護される人にとっても、何度もおむつを確認されることによる不快感を軽減できるのではないでしょうか」と田中は語る。

Senior diaper介護の現場で「おむつ」の負担が軽減できる Photo by iStock

とはいえ電池を搭載した重くて固いセンサをおむつに取り付けるのは現実的ではない。そこで田中は、失禁時の排尿を利用して発電し、その電力で無線機を駆動して尿失禁を知らせる電池交換不要のセンサを考案した。

まずおむつを履いた時に不快感がないようにするためと、おむつに吸収される尿を電解液として発電させるために、おむつ内にシート状の活性炭電極とアルミニウム電極を取り付けた、おむつ型の尿発電電池を開発した。

とりわけ革新的なのが、続いて開発した回路とセンシング手法である。