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泉ピン子さん、黒沢年雄さん…有名人が「死ぬまで手放さないもの」

義理か、名誉か、愛か、家族か…

納得してこの世を去りたい。たとえ忘れ去られても、自分なりに美しい終わりにしたい……老いても最後まで大切にすべきものは何か。それを間違えないことが本当の賢さだと知る。

悪くない人生だったな—そう思ってこの世に別れを告げられれば、こんなに幸せなことはない。心静かに晩年を送り、美しく去っていくためには、何が必要で何が余計か、じっくりと見極めたい。

友の死で考えが変わった

「この2〜3ヵ月で人生観が大きく変わりました。志村けんちゃん、岡江久美子ちゃんが相次いで亡くなって、人間はいつかは死ぬということをまざまざと突きつけられたのです。

私も、最後は家族や友人に見送られて、あの世に行きたいという気持ちがあります。でも新型コロナウイルスで亡くなると、看取る人もいない。家族すら火葬に立ち会えない。お骨を拾う人もいない……。

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これまで、お別れやお葬式というのは、当たり前のものだと考えていたから、人間の最後があんなことになるなんて考えたことがなかった。だからこそ、本当に失いたくないものに対する考えも変わりました」

女優の泉ピン子さん(72歳)は、いまの心情をこう打ち明ける。

70代、80代となれば、残り時間がそう長くはないと、ある程度の心づもりはしているだろう。だが、新型コロナの感染拡大によって、普段にも増して死が身近なものとして迫っている。そのなかで多くの人が、人生の最後まで手放してはいけないものは何なのかと、改めて問い直している。

泉ピン子さんは、最近、最後まで大切にすべきものは、「健康とほどほどのおカネ」と考えるようになったという。

 

「人に迷惑をかけないで生きていくためにも、健康でいなくてはならないと痛感しています。主人は家のことを何もできないので、主人を看取ってから逝きたいと思っていますが、私が明日死ぬ可能性だって十分にあるわけです。だから自分の健康にも、主人の健康にも、神経質なくらい気を遣っています。

それから、おカネに関する考えもまったく変わりました。昨年、旭日小綬章をいただいて、これまでがんばってきた自分へのご褒美にとブランドの時計を買ったのです。ですが、いまになってそんなもの買わなければよかったと後悔しています。