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自分で考えて動く部下を育てるため、上司が「やってはいけない」こと

思わずやっていませんか…?

新型コロナウイルスで大変な状況の中、部下をどう指導しようか、頭を悩ませている上司の方も多いと思います。とりわけ、初めて部下ができる新米上司だと、不安なことが多いはず。

人の上に立つということは、きっと仕事のできる方なのでしょう。いろんな苦労を重ねてきて、ノウハウもたくさんお持ちなのだと思います。自分のように苦労せずに済むよう、会得したノウハウやコツは、部下に惜しみなく注ぎ込んでやろう、分かりにくければ何度でも丁寧に教えてやろう、と意気込んでいるかもしれません。その意気込みや、よし、と言わなければウソでしょう。

ただ、肩に入った力を少し抜いた方がよいかもしれない、と私は思います。皮肉なことに、教えれば教えるほど部下の能力は伸びなくなり、自分で考えなくなり、指示したこと以外はしなくなり、働く意欲も感じられなくなる、そんな事態に陥ってしまうことがあるからです。

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子育てから学べること

ここで子育てを参考にしてみましょう。いきなり別の話のようで申し訳ないですが、分かりやすい例だと思うので、ちょっと紹介。

「もう寝る時間よ! 早くパジャマに着替えなさい!」何回子どもに命じても、遊んでばかりでちっとも着替えない、というシーンは、どこのご家庭でもよく見られる光景ではないでしょうか。

それはうちもご多分に漏れません。着替えなさいって言ったって、ちっとも聞きやしません。特に、新型コロナの影響でずっと家に子どもがいる状況が続いているご家庭では、子どもがなかなか言うことを聞いてくれないことに閉口していることでしょう。

そんなとき、私がよく使う手。なかなか着替えようとしない子どもに、

「自分ではうまく着替えられんのだろう。よし、お父さんが着替えさせてやろう」

と声をかけると、

「じぶんでできるよ」

と、何言ってるの? 風の口調で反発してきます。

「いやいや、無理するなって。自分でボタン外すのは難しいよな。お父さんがやってあげよう」

「じぶんでできるよ! やらないで!……ほら、できた!」

「うわ、ほんとうだ! でも、パジャマのズボンは自分ではけないだろう。どれ、お父さんが手伝ってやろう」

「いや! じぶんでできる……ほら!」

「あらあ、すごい! でも、パジャマに袖を通すのは難しいだろう。さあ、お父さんに手伝わせて」

「いや! じぶんできる!」

こんな調子で、子どもは全部自分で着てしまう。そして、どんなもんだい、という顔をします。私が、まさか! と目を丸くして驚いてみせると、子どもは誇らしげです。