出漁する海女たち Photo by PhotoAC

無形文化財になった「海女さん」の研究センターが三重大学にあった!

漁村の暮らしの奥深さに触れる社会学
2016年の伊勢志摩サミットをきっかけに世界的にも注目を浴びた海女(あま)さんたち。なんと、地元である三重大学の人文学部には、彼女たちを研究する「海女研究センター」があるそうです!

どのような研究が進んでいるのか、同センターの吉村真衣(よしむら・まい)助教がインタビューに応じてくれました。
三重大学・吉村助教

人間が「文化遺産」になるとはどういうことか

――先生は海女についてどのような研究をされているのですか。

吉村 もともと文化遺産の保全や活用に関する研究をしていて、そのテーマの一つとして「海女」に注目しています。

ざっくり言うと、地域社会の文化が「文化遺産」として価値づけられるとき、地域社会にどのような影響がもたらされるのかを研究してきました。これまでは歴史的景観を対象に研究を進めてきましたが、現地で聞いた「他者のまなざしが注がれるのはあくまで建物であって、自分たちではない」という言葉が印象に残っていました。

そんな折、伊勢志摩サミットなどをきっかけにメディアで海女さんをよく見かけるようになり、歴史的景観の研究のときに聞いた言葉と対比して、海女さんたちは「自分たち」が文化遺産や観光資源として評価されているのだということに気づきました。

その気づきをもとに、文化遺産や観光資源という評価は海女さんや漁村の暮らしにどのような影響をもたらしているのかというテーマを研究しています。

海女1959年に撮影された海女 Photo by Getty Images

――海女研究センターではどのようなことを行っているのですか。

吉村 海女研究センターは2018年3月に、三重大学地域拠点サテライト 伊勢志摩サテライトの拠点として設立されました。大学キャンパスではなく鳥羽市立海の博物館内にあり、大学と博物館、地域とがつながる拠点になっています。

三重大学伊勢志摩サテライトの活動拠点「海女研究センター」。鳥羽市立海の博物館内に2018年開設された

「海女」と名のついたセンターですが、海女さんだけに注目するのではありません。海女さんを切り口として、漁村や漁業文化などをいかに保全していくかを考え、研究や実践を進めている機関です。

文系と理系、それぞれの研究者が得意分野を活かし、協力しながら事業を行っている点も特徴です。

――海女の魅力について教えてください。