いい加減にしてほしい…「テレワークできない人」の存在を忘れてないか

自宅でできない仕事が社会を支えている

感染リスクを背負って

「歯の治療では、水や唾液が飛び散ることもあります。感染リスクがないとは言えない。急がなくていい治療はできるだけ後回しにしてもらっています。でも、予期せぬ痛みや突然の怪我などに対し、どうしても必要な治療はある。だから診療を休むわけにはいきません」

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宮崎県内でクリニックを経営する歯科医はそう語る。新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、医療従事者たちは体を張って毎日通勤している。

緊急事態宣言以来、テレワークがもてはやされている。安倍総理は、人的な接触を最低7割、極力8割削減することで、感染拡大ペースに歯止めをかけられる可能性が高いと説明し、企業にテレワーク推進に取り組むよう要請してきた。

もちろん外で働いていれば、それだけ感染リスクは高くなる。自分が感染源になってしまう可能性もあるだろう。

 

医療従事者なら、冒頭の歯科医のように、ある程度の覚悟はできているかもしれない。しかし、危険に晒されているのは彼らだけではない。普段は気付くことも少ないが、現場に出て体を動かさなければできない仕事が、世の中には山ほどある。

都内の清掃会社に勤める清掃員の女性が語る。

「オフィスビルやマンション、ホテルなどの清掃をしています。手や肌の触れる場所を、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムを使い分けながら拭いたり、以前は中性洗剤を使っていたところを除菌剤入りの洗剤に変更したりするなど、念入りに対応しています。清掃が行き届いていなければ、感染を広げてしまうことにもなりかねない。少人数でも建物を利用する人がいる以上、休むわけにはいきません」

病院の清掃について熟知した作業員も配置され、より徹底した清掃の指導にあたっているという。彼女は、少しでも感染を食い止めようと今日も現場に向かう。