このまま「日本はコロナ封じ込めに成功した」ことにしていいのか

具体的支援ないまま緊急事態宣言解除
笹野 大輔 プロフィール

「反対の1割と無関心の5割」

先日、筆者が住むニューヨークのクイーンズ区でこんなことがあった。自宅の部屋にいると無数のクルマのクラクションの音が聞こえ、しばらくすると大音量で音楽が流れ始めた。窓から場所を見てみると隣の病院前の道路であることがわかった。なにかのイベントに違いないと病院に向かってみると、トラックが病院前に横付けされ、住宅街の道路は100台くらいの医療従事者に感謝・支援する人たちのクルマで埋め尽くされていた。

大音量の音楽をトラックから病院に向けて流すと、病院から続々と医療関係者が出て来る。支援者は少しでも新型コロナの対応をしている医療関係者に楽しんでもらおうと、踊ったり拍手したりしていると、医療関係者までもが出勤中に何十人も出て踊り出していた。

感謝する人たちの応援で踊り出すニューヨーク市の医療関係者

微笑ましい行為ともいえるが、30分ほど続いたので近所では迷惑に感じている人もいるだろう。「救急車が通れなくなったらどうする」「道路を塞いで渋滞になる」「大音量で仕事に集中できなかった」など迷惑なことは探せばいくらでもある。実際のところパトカー1台が間に入り黙認していた。いつでも緊急対応は取れる状態でもあったのだろう。

なにか良いことであっても非日常なことをするとなれば、たいていは「1割の人が反対、4割の人が賛成、5割の人が無関心」となる。これはニューヨークの地下鉄で音楽などのパフォーマンスをしている人たちに対しても同様だが、行政による施策に対してもそう変わりはない。だが、ニューヨークでは4割の人が賛成すれば採用される社会だ。賛成の4割だけで判断する場合もあるが、賛成4割と無関心5割を足すと9割賛成になるからでもある。

 

もしかすると日本では、反対する人が1割いると、「反対の1割と無関心の5割」を足して「6割が反対している」と考えるから何事も進まないのではないだろうか。デバイスとネット回線だけあれば可能なオンライン授業が、日本で整備できていない現状を見るとそう思えてならない。

関連記事

おすすめの記事