このまま「日本はコロナ封じ込めに成功した」ことにしていいのか

具体的支援ないまま緊急事態宣言解除
笹野 大輔 プロフィール

自粛時期の「大人の事情」

ニューヨークではそうはならない。罰則があるからニューヨークの人が自粛に応じている、というのは間違いだ。まず、1番目に「新型コロナは『軽症』であっても危険」という認識が行き渡っている。次に、必要な補償は政府や行政からされることを経験している。だから、第2波が来ても「また自粛なのね」という感覚でニューヨークの人たちは応じることになるだろう。

新型コロナ第1波の仕上げの段階に入っているニューヨークでは、現在1日間のPCR検査数が約5万件で推移している(5月23日の検査数4万7765件、感染者1589件、陽性率3.3%)。先週は1日間に約3万件~約4万件の検査数だったので、仕上げになればなるほど検査を増やす施策であることを前回書いた。

ちなみに日本の場合、北海道の5月24日の陽性率は9.9%、東京は検査数を民間と同日発表せず感染日もズレているので不明。日本は検査の規模も大きくせずに緊急事態宣言を解除した。検査を増やすと感染者「数」が増えてしまい経済活動に支障をきたすことになるからだろう。ニューヨークは「データ」「計測」「科学」を基に自粛が解除される。「大人の事情」によって自粛期間が決められることはないということだ。

高校生のオンライン授業のパソコン画面(アプリはGoogle Classroom)
 

ニューヨーク市では子供たちの学習のために、すでに約29万台のiPadを配布した。新型コロナの自粛で休校中の学生に、オンライン授業を受けさせるためだ。現在続いているオンライン授業は6月26日で終わり、夏休みに入るが、オンラインでの夏期講習や、遠足にあたるバーチャルトリップも用意されており、子供たちへの教育には余念がない。ニューヨークの公立学校のオンライン授業への移行は1週間程度で行った。混乱はないわけではないが、あとから修正すればいい、という考えでニューヨークの施策は進んで行く。

オンライン授業に必要なことは2つだけ。デバイス(パソコンあるいはタブレット)と、インターネット回線だけだ。日本では新型コロナの第1波中に実現できなかったが、第2波までに準備が整っているのか疑問でもある。日本では遅々として施策が進まないからだ。