2020.06.04
# マネジメント

「コロナ離職」が密かに進行中?テレワーク時代の「マネジメント」の正解

部下との「心理的距離」はこう縮める
浅野 泰生 プロフィール

チャットやメールの文字情報だけでは正確な情報伝達が難しいこともある。たとえば、お客様の温度感や、修正の細かいニュアンスなどだ。

その場合は、電話やWeb会議で短時間でもいいので直接話したほうがいい。「○時~○時の打合せ以外は終日電話に出やすい」と伝えたり、スケジューラーに「Web会議可能時間帯」を書いておくのがオススメだ。

なぜなら、部下は「リーダーは忙しいのに相談の時間を取るのは申し訳ない」と考えるもの。「この時間なら空いている」とあえて書くことで心理的に連絡しやすくなるのだ。

忘れてはならないのは、通常時よりもハッキリと感謝の気持ちを伝えることだろう。お礼を伝えることで部下は報・連・相にポジティブな感情を持つ。このひと手間をかけることが、密に報・連・相ができる関係構築には大切なのだ。

 

部下を動かす「指示の出し方」

指示の出し方で、部下のパフォーマンスは大きく変わる。「資料をつくってほしい」という言い方では部下にやる気を湧かせるのは難しいだろう。

では、どうするのか。自分で考える力がある部下には、“OBゾーン”を与え、裁量を持たせるのだ。たとえば、「新サービスの資料をつくってほしい。今回は新規のお客様向けだから“よく分からない”という事態は避けたい。分かりやすく頼む」。このように指示することで、部下は仕事の優先事項とNG事項が分かり、そのための方法を考える。裁量によってやる気を湧かせ、判断も迷わずできるようになるのだ。

テレワークの場合、作業内容を分断して指示を出すため、受け取る部下は何のための仕事なのかが分かりにくくなる。そのため、依頼する仕事が全体の中でどのような意味・意義があるのかを伝えることがより重要になってくるだろう。

仕事が終わった後に、周囲からの評価を本人に伝えることも忘れないでほしい。テレワークでは、成果物に対する依頼主の反応がすぐに感じられないので、なおさら重要になる。

「見やすいスライドだったとお客さんから評判が良かった」「僕一人では間に合わなかった。手伝ってくれてありがとう」「あの資料のおかげで契約が1件取れた」。このように結果や評価を伝えると、部下は自分の仕事の成果を感じられる。すると、「もっとがんばろう!」と主体的に仕事に取り組むようになるのだ。

人は理屈では動かない。感情によって動く。だから、リーダーには部下の感情に働きかけるマネジメントが求められる。

対面できる状況であれば、部下の雰囲気や職場の空気感からその感情をうかがい知ることができるが、テレワークではそのような五感情報を受け取ることができない。文字だけでなく、時には電話やWeb会議を使って、自分の感情を乗せて伝えていくことも大切だ。手間がかかる一面はあるが、この取り組みは必ずリーダーのマネジメントスキルを向上させるだろう。

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