先月に緊急事態宣言は全面解除されたものの、新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になる見通しだ。それに伴い、企業はテレワーク中心の働き方変革が急務となっている。生活様式が大きく変わるなか、「コロナ離婚」という言葉も生まれているが、今ビジネスシーンの水面下で進行中と危惧されているのが「コロナ離職」だ。
コロナ離職は、慣れない働き方や上司からの監視という閉塞感、会社の将来に対する不安、今まで意識していなかった上司への不満を膨らませて、新型コロナウイルス収束後に離職者が増えるといわれているもの。
物理的距離が離れている今だからこそ、上司と部下との心理的距離を縮めていく工夫が求められている。
環境によってマネジメントの正解は変わる。この環境での部下との付き合い方を誤ると、「気がつけばリーダーなのに一人ぼっち」…ということにも陥りかねない。マネジメント手法も時代に合わせてアップデートしていく必要があるのだ。
テレワークを進めていくにあたり、多くの企業が直面しているのは「遠隔でいかにマネジメントするか?」という問題だろう。メンバーのパフォーマンスを最大化させるのはリーダーの使命だ。見えない所にいる部下の動きを把握するために、さまざまな業務管理ツールを試していることと思う。しかし、冷静にふり返っていただきたい。“管理”が“監視”になっていないだろうか。
注意のポイントは、ツールが主となる管理体制になっていないかだ。人的コミュニケーションが主で、ツールはあくまでも管理を補完する役割であったほうがいい。なぜなら、あまりにシステマチックに管理してしまうと、「サボリ防止のために監視している」と部下に受け取られかねないからだ。