医療従事者に本当に必要な「支え」

さて、話を再びNYに戻そう。一時期パニックに陥ったNY市民は、医療従事者の頑張りを見て、応援し支えあおうと、団結する動きが活発化しているという。感謝の気持ちをこめてレストランのおいしい食事を病院に差し入れたり、防護服などの医療資源を寄付する動きは、医療従事者にとって、現実的に役立つ励みとなり、喜ばれているそうだ。

さらに日本でも、応援や支援は大歓迎だ。医療や介護現場で働いてくれている人を感染から身を守るために、足りてない物資やその他の寄付する動きなど、現場に役立つ支援の輪はどんどん広がっている。

ブルックリンのカフェでは医療従事者に毎日食事をサポートしている。photo/Getty Images

「NYでは、こういった支えあいの動きは今、医療従事者に対してだけでなく、休校中の子供や貧困層、料理が作れない老人など、必要としているすべての人に食事を提供しようと広がっています。ボランティア希望者もどんどん増えているんです。ニューヨーカーは団結するときのパワーもすごいです」(愛子さん) 

自由を愛するニューヨーカーたちが、自粛生活を守って団結しているのは、毎日伝えられるクオモ州知事の言葉も大きいと愛子さんは言う

「彼は現実を曲げず、庶民に大げさにも感情的にならず伝え、こうできたら一番いいが現実的ではないね、と庶民とひざを突き合わせるように話してくれます。するとみんなは、自分は今自粛しなければならないと冷静に理解し、文句もでません。だれもが同じ立場になって、一つになって乗り越えなければならないって考えるようになるんです」(愛子さん)

なんでもそうだが、多くの人の心がひとつになるもならないも、リーダー次第なのだ。これも今回のコロナ禍から学んでいることだ。

5月25日の安倍晋三首相の会見では、ついに、全国的に緊急事態宣言解除の意向が示された。しかし、今後も第二波、第三波が必ず来ると言われる新型コロナ。この感染症との戦いに、医療従事者の力は必要不可欠だ。そのためにも、私たちができることはまず、感染を広げない。そして医療従事者の本当に助けとなることは何なのかを考える時なのだと思う。

わかりやすい言葉で丁寧に解説し、対策を練るクオモ州知事。頼れるリーダーの存在は大きい。photo/Getty Images