パンデミックだからこそ、
がん患者に情報配信を!

ならば日本とアメリカの両方の価値観を知り、言葉も理解する自分が、NYの医療と日本人女性のがん患者のパイプ役になろう。私が入手できるアメリカのがん情報を全部伝えてあげたい、と愛子さんは思ったのだという。

そこでNYに拠点を持つ「SHARE」にかけあって場所を提供してもらい、愛子さんが日本語プログラムを立ち上げたのは、2013年のこと。手弁当でこれまでたくさんのがん患者の相談に寄り添ってきた。現在は愛子さんのほかに運営委員が1名。他はすべてがん治療中の患者さんやがん経験者のボランティアだそうだ。

愛子さん(中央)が立ち上げたSHARE日本語プログラムのメンバー。ロックダウン前の1月の写真。写真/ブロンディ愛子

そして、活動を続ける中で今回のパンデミックがNYを襲い、世界一賑やかで華やかな大都市は封鎖された。医療崩壊を起こした病院や棺桶が並ぶ映像に、日本に住む私たちも恐怖を覚えた。NYのがん医療の現場はどうだったのだろうか?

「ダイアモンドプリンセスが日本に停泊しているころ、NYにとってCovid-19は対岸の火事で、日本の心配をしていました。しかし、アメリカで感染者が出てからの広がりはアッという間でした。3月22日にロックダウンとなり、SHAREの活動もオンラインのみ。マンハッタンから人影が消えた。どんなことがあってもマスクをつけないアメリカ人がマスクをつけだした。看護師が感染して亡くなった。混乱する医療現場や遺族のインタビュー……。これは本当にただ事ではない! とパンデミックを肌で感じたのは、メディアから発信される信じられない情報からでした」(愛子さん)

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5月20日現在も愛子さんの外出は週に一度の買い物だけ。しかも店内にいるのは15分程度。しかし、のんびり自粛をしている時間はなかったという。不安を抱えるがん患者に「SHARE」のネットワークで、医師らから最新の情報を聞き、有益と思われるがん患者に知ってほしい新型コロナ関連の情報を流し、NY在住の日本医師に頼みオンラインセミナーを開催した。