5月27日 囲碁AIが人類最強の棋士に完勝(2017年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

2017年の今日、囲碁AI「AlphaGo(アルファ碁)」と世界最強の棋士との呼び声高い中国の囲碁棋士・柯潔(か・けつ、1997-)が対戦しました。この対戦はAlphaGoが勝利し、同月23日、25日にあった試合に続いて、AIが人類に3連勝を果たしました。

「AlphaGo」は、Googleの傘下にあるイギリスの企業「DeepMind」が開発した人工知能です。この人工知能は、過去に人間が対戦した10万を超える棋譜のデータを精査し、さらに自分自身と対局することによって学習を重ねます。これによってAlphaGoは、人類が今まで打たなかったような妙手の習得にも成功しました。

DeepMindのCEOデミス・ハサビス。AlphaGoの生みの親としても知られる Photo by Getty Images

一方、柯潔は当時19歳でしたがすでに3つの世界タイトルを保持しており、AlphaGoの進化や他の強豪棋士との対戦結果は気にかけていませんでした。

AlphaGoは彼との対戦以前に、韓国の名棋士イ・セドル(1983-)にも勝利していたのです。しかし、柯潔は「AlphaGoは彼に勝てても、僕には勝てない」と信じて疑いませんでした。

柯潔 Photo by Getty Images

その自信は、残念ながらAlphaGoとの三番勝負で打ち崩されてしまいます。

23日、25日と連敗した彼は、最終日の前夜にはいったいどうすれば勝てるのかと考えを巡らせたといいます。しかし、やはり勝つことはできず、世界最強の棋士と最強のAIの対戦はAIの全勝に終わったのです。

 

それまで囲碁は、莫大な選択肢と重要な場面の見極めの難しさから、AIが人類に取って代わる日は遠いゲームだと言われていました。AlphaGoは、そう考えていた多くの人に衝撃を与えたのです。

AlphaGoはこの試合で対人戦を引退しましたが、自身との対局のみで進化するバージョン「AlphaGo Zero」が従来のAlphaGoを圧倒するなど進化し続けています。

また、現在DeepMindのサイトでは、AlphaGo同士の対局データが公開されています。