学校再開でもICT教育は必要

一方で、3ヵ月近く休校したままの公立学校のオンライン化はほとんど進んでいないようです。4月に知人の先生に「オンライン授業とかバンバンやればいいじゃないか」と話すと、「そんなことできませんよ」と首を振ります。
理由は「各家庭で学力差を生んでしまうから」でした。ネット環境のある家、ない家があるから、と言うのです。自治体でそういう家庭に貸し出しなどを対策を行い、5月からオンラインでの授業が始まったところもあるようですが、自治体や学校ごとの格差を危惧する声も少なくありません。

できないものはできない、と。本当にそうでしょうか。僕は、先生や保護者がみんなで知恵を絞れば解決できる気がします。

そもそも、学校と言う場所に格差はつきものです。子ども一人にデジタル端末が行き渡っている渋谷区などの自治体と、そうでない自治体。もっといえば、学級崩壊を起こしているクラスと、うまくいっているクラス。常にどこかにひずみを抱えているのが学校ではないでしょうか。
でも、そのたびに大人たちが子どもを真ん中にして知恵を絞る。どうにかならないか。学びを止めずに、子どもをひとりぼっちにせずに学びを継続することを考えてほしいのです。

見渡せば、5月中旬に東京都、大阪府などいくつかを除いた多くの都道府県が、緊急事態解除になりました。子どもたちは時差登校するなど、少しずつ日常に戻りつつあります。ああ、よかった。これでオンライン授業は必要なくなる――。本当にそうでしょうか。
秋冬に再びコロナ感染の第2波がくるとも言われています。休校の備えとはまた違う意味で、双方向型のオンライン授業は今後も必要になってくる教育スタイルだと僕は考えています。

学校が再開しても前と同じにはできない。第2波、第3波を考えても、オンラインでの授業を普通に取り込むことも大切だ。しかもコロナと関係なくとも、ICT教育はとても重要なものだ Photo by iStock

みんなが実際にクラスにいるという感覚が持てない子。いじめられていたり、何かの心の不具合で学校に来られないけれど、オンライン授業なら受けられる。日ごろ質問できなくても、チャットなら考えていることを伝えられる子もいる。ICT(情報通信技術)教育には、いいところがたくさんあります。
ICTが先進国の中で圧倒的に遅れている日本は、これを機に教育を変革すべきです。コロナと向き合ったこの期間が、日本の教育が変わる節目になると考えています。