イワシの人生を真剣に考える

イワシは生まれてから稚魚になるまでは、「プランクトン」として海面で生活します。

すると、「いやいや、なんでわざわざ浮いて漂ってるの?」という疑問が子どもの中に浮かびます。これが授業の導入部分です。ここで子どもたちの「劇的欲求」を喚起します。

そのうち「餌を食べるために浮いている」ことがわかります。海面にはたくさんの餌が浮かんでいるので、それを食べて大きくなるのです。

「でもさあ、君たち赤ちゃんのとき、浮いて漂ってたの?」

僕の問いかけに、子どもたちはキャッキャと爆笑します。
お母さんがおっぱいくれた。
ミルク飲ませてくれた。
そんな子どもたちの声がZoomの画面を通して届きます。
そこで、他の生物の子育てを見せます。例えば、カモメの赤ちゃんは母カモメが捕らえた魚を口元まで運んで食べさせてくれます。

じゃあ、イワシの子どもである「シラス君」に尋ねてみようか、
「君の親は?」
「え? 親は見たことないよ。だって、捨てられたから」
シラス君の答えに、子どもたちは驚愕の表情を浮かべます。
「えっ! プランクトンは捨て子なの?」「なんで、なんで?」

森田さんが作成した『海洋生物編』スライドより。イワシの赤ちゃんが捨てられた? 写真提供/探究学舎