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# プロ野球

野村克也氏語る「不器用な私でもプロ野球で結果を残せた“上達の技法”」

ノムさん最後のメッセージ(1)
今年2月、惜しまれつつ亡くなった、プロ野球史に輝く名将・野村克也氏。『上達の技法』は、弱小球団を何度も勝利に導いてきた氏の「最後のメッセージ」が詰まった一冊だ。みずからを「不器用な人間」「秀でた能力もない」と語る野村氏。にもかかわらず、球界の第一線で活躍し続けることができたのはなぜなのか? その秘密に迫る。

限界を感じてからが本当の勝負

ドラフトを経て、毎年多くの有望選手がプロ入りを果たしている。ドラフト上位の選手はプロ入り直後はマスコミからも大いに注目されるが、その選手たちすべてがプロの世界で通用するわけではない。

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あるいは、私のように二軍で人の2倍、3倍の努力をしたとしても、必ず一軍に上がれるとも限らない。プロの世界はかように厳しいものなのだ。

だが、一軍になかなか上がれないからといって、「俺の力はこの程度なんだ」とあきらめてしまったらすべてが終わってしまう。

私はテスト生として南海ホークスに入団し、プロのレベルの高さを目の当たりにした。「とんでもない世界に来てしまった」と当初は思ったものだが、そこで絶望することなく、「誰よりも練習して一軍レベルの選手たちに追いつくしかない」と気持ちを切り替え、日々努力を続けた。

だが、プロ入り1、2年目は二軍でくすぶったままの状態にあり、どんなに技術力、体力をつけたとしても、それだけではプロの世界で生きていけないことを知った。

 

「なぜ、これほど練習しても一軍に上がれないのだ?」

私はこの時、一度自分の限界を知った。だが、限界を知ることで「だったら違うやり方もしていかなければいけないのでは?」という思いに至り、「頭」を使って野球をすることの重要性に気づくことができた。