WHO総会でも激突…トランプの「習近平潰し」のウラで起きていること

米中両国は開戦前夜の様相ではあるが
歳川 隆雄 プロフィール

米中双方が火花を散らした

一方、「朝日新聞」(同)は《中国の習近平国家主席もWHO総会の演説で(筆者注:テレビ会議方式)、「テドロス事務局長のリーダーシップの下、WHOは感染拡大阻止に多大な貢献をし国際社会は高く評価している」と称賛。新型コロナ対応でWHOが指導的役割を果たすべきだと訴えた。》と、中国が米側批判に対し真っ向から反論したことを伝えている。

まさにWHOを舞台に米中双方が火花を散らしたのだ。では、米中両国は本当に一触即発の状況にあるのか。その内情を理解するにはファーウェイに対する規制強化の実態を解き明かすことが不可欠だ。

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トランプ政権が中国による次世代通信規格「5G」通信ネットワークの開発阻止を射程に入れているのは事実である。しかし同政権の短期的な狙いは、ファーウェイの息の根を止めることではない。なぜならば、同社と取引を続けている多くの米企業にとってダメージが大きすぎるからだ。

 

すでに書いたように、トランプ政権は米中第1段階貿易合意の担保として、ファーウェイを生かしているのであり、それをまた習指導部は十分に承知している。ただし、トランプ氏は第1段階合意を破棄する方が米大統領選に有利になると判断すれば、直ちに対中強硬策に転じるだろう。