仮想通貨「元・億り人」を次々に襲う「人生棒に振るほどの重税」

シングルマザーの悲惨な告白
週刊現代 プロフィール

「やって来た調査官は、当初、私が暗号資産に投資しているとは知らなかったんです。ところが、調査官の質問に『暗号資産の裁定取引のシステムです』と正直に答えて、暗号資産に投資している事実を自分から明かしてしまいました。

'18年2月の乗り換えで発生した課税所得を、調査官から『これ儲かっていますよ』と言われたんですが、そのときもまだ暗号資産の課税の仕組みが分かっていませんでした」(樋口さん)

 

その結果、冒頭の約3000万円という莫大な追徴税が課されることになってしまった。現在、エイダは2年前の10分の1程度に値下がりしたが、それもほとんど換金して残っていない。プーマペイもほぼ無価値に近い状態だ。樋口さんが語る。

「とりあえず、3月末になけなしの1万円を納めました。その後も税務署からは『1万円でも2万円でもいいので、今月末までに納めてください』と言われています。こんな感じが毎月続くのかと思うと、気が重いです」

Photo by iStock

東京近郊に暮らす40代後半の福岡渡氏(仮名)も、辛い毎日を送る暗号資産投資家の一人だ。'17年8月末に1枚6万円前後でビットコインを約1100万円分購入し、同年10月半ばにそのすべてをイーサリアムに交換した。

さらに同年中には、イーサリアムをビットコインやICOなどに乗り換え、これによって同年の課税所得は約1億2000万円に上った。だが換金はしていないため、実際には1円も手にしていなかった。

「当時のビットコインには敵対的ハードフォーク(互換性を持たない暗号資産の分裂)の情報が絶えず、資産が消滅してしまうのではないかという恐怖を持ち続けていました。それでは困るので、ビットコインからイーサリアムに避難したのです。しかし、それではビットコインしか受け付けないICOに投資できない。

そこでハードフォーク後の技術状況が安定した時点で、保有するイーサリアムの半分を再度ビットコインに、残る半分をICOなどと交換したのです。この間に暗号資産を換金したことは一度もなく、抱えていた含み益も'18年1月以降の暴落で、ほぼ吹き飛んでしまいました」(福岡氏)