「バイトも嫌がって…」コロナ消毒作業を担う「特殊清掃業者」の本音

消毒と予防の最前線で行われていること
小泉 カツミ プロフィール

欠かせない「オゾン脱臭」

ここまでで約2時間が経過。

そしてここで登場するのが、業務用オゾン発生器だ。これは、いわゆる特殊清掃には欠かせない脱臭機で、イスラエル製である。1台60万円から80万円と高価だが、及川さんたちにとっては必需品である。孤独死があった室内の臭いや、ゴミ屋敷、ペット臭、タバコ臭などを除去するのだ。

イスラエル製のオゾン発生器。高額だが脱臭効果は抜群である

2台のオゾン発生器を室内に配置し、起動させる。オゾン、つまりO3が発生するのだ。独特の匂いがある。塩素のような、ブールのような匂い。これはあまり吸い込まないほうがいいらしい。オゾン脱臭の仕組みとは、オゾン分子(O3)と匂い成分の分子がぶつかり反応することで、臭い分子を分解するのだと言う(=オゾン酸化分解法)。

そこで全員部屋を退出し、外で待つこと約30分。時間になると、及川さんが防護マスクを装着し、室内に入り、窓を全開にした。約20分でオゾンは室内からなくなり、無臭となった。

最後に養生していたシートを撤去し、すべてを元の状態に戻し作業終了である。約3時間の工程だった。

作業が完了すると「消毒作業実施証明書」が送られる
 

施設の職員さんが戻ったので、少し話を聞いてみた。

——どういう意図で消毒を依頼したのですか?

「ここは、利用者さんが通ってくる、いわゆる通所なんですが、やはり安心して利用してもらうために依頼しました」(施設の職員)

作業終了とともに、タスカットから施設に、額に入った「消毒作業実施証明書」が送られた。これが施設の壁に掲げられるのだ。これでとりあえず「安心」が確保できたわけである。

新型コロナの影響は、こんなサービスにも現れている。今後、こうした取り組みはますます増えていくに違いない。