「開けるも閉めるも地獄」歌舞伎町の店主たちが迫られる決断

緊急事態宣言の解除が見えてきたが…
ツマミ 具依 プロフィール

開けても地獄、閉めても地獄」

ある風俗店では、オーナーの男性が自ら客引きをしていた。途方にくれた表情で話す。

今は店を開けても地獄、閉めても地獄。キャッチだって何だってやるしかないよ。給付金なんて意味ないんだから。地方と歌舞伎町じゃ家賃が違う。歌舞伎町の坪単価はだいだい5万円で、うちの店だと70~80万円ある。最後は踏み倒すしかないのかと頭を過るよ」

家賃300万円規模のキャバクラが店をそのままにして夜逃げしたケースも耳にした。「自殺したくなるくらい追い詰められている」と語るオーナーからは、コロナ感染より差し迫る“死”が窺えた。

数人のキャッチらしき男性が暇そうにしている〔PHOTO〕筆者撮影
 

歌舞伎町の高額な家賃は、店の経営者にとって一番の重荷だ。そのために感染拡大防止協力金をはじめとした救済措置が組まれている。飲食店の場合は、営業時間の短縮でも給付金の対象になるが、街を見渡す限り、ほとんどの店が営業すらしていない

小さなバーが集まるゴールデン街も同様だ。店の扉には「当面休業」の張り紙がしてあり、灯りがついている店は1つの通りにつき1、2店舗あるかないか。

ゴールデン街を歩いていたら、偶然知り合いに出くわした。こんなことは飲み歩いていればたまに起きることだったが、なんだか懐かしい。リモート飲みじゃこうはならない。