人類の宇宙観を塗り替える「惑星」が「発見ラッシュ」なのをご存じか

今月の科学ニュース「系外惑星のいま」
熊谷 玲美 プロフィール

惑星本体の直接撮影が実現したのは、新たな観測装置が登場した2000年代なかばだ。今回のプロキシマ・ケンタウリの2個目の惑星は、まだ存在が最終確認されておらず、直接撮影についての研究もまだ論文雑誌に掲載されていない段階だ。

それでもそんな「ご近所」にある惑星を直接撮影できたら、私たちが想像する宇宙のイメージが大きく変わる気がする。

太陽系の研究も大いに進展

紹介しきれなかったニュースも含めて、ほんの1ヵ月ほどで、系外惑星の発見をめぐるニュースが本当にたくさん見つかった。宇宙についての常識が目の前でどんどん書き換えられていく、そのスピード感に興奮せずにいられない。

ケプラー宇宙望遠鏡の観測結果から統計的に考えると、すべての恒星には少なくとも1個の惑星があるといえるという。天の川銀河だけで1000億個以上の恒星があるので、惑星もそれと同じか、それ以上の数が存在することになる。

2019年からは後継のTESS衛星が観測を始めており、系外惑星の発見はこれからも続く。いつか生命が存在する惑星も見つかるかもしれない。

Illustration by NASA's Goddard Space Flight Center

さらに系外惑星の研究は、太陽系がどのようにして生まれたかという謎を解くヒントにもなるという。

カリフォルニア工科大学のコンスタンティン・バティギン教授の研究チームは5月18日、初期の太陽系で、木星の周囲にあったガスとチリの円盤から木星の月(衛星)がどうやって生まれたかを解き明かす、新たな研究結果を発表した

 

こうした惑星周囲の円盤は系外惑星でも観測されており、「Astronomy」誌は、そうした系外惑星の観測がバティギン教授の研究に役に立っていると伝えている

「過去20年の系外惑星研究の大きな進展によって、惑星形成の理論は完全に書き換えられた」と語るバティギン教授は、それはまるで、空手の師範が自分の道場を飛び出して、世界中の他の格闘技を学ぶようなものだという。

夜空を見上げるとき、たとえ目に見えてなくても、視線の先にどれだけの惑星が存在しているのだろう。そう想像すると、暗い夜空が賑やかな世界に思えそうだ。

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