私たちの体の大部分を占める粒子「ハドロン」の秘密を平易に教えます

物理を学ぶために「必要なこと」とは?
ならじょToday プロフィール

数学から離れると、物理は単なる物語(SF)になってしまいます。背景に数学がないと成り立ちません。美しい物理理論というものは、美しい数学理論がないと成立しない、そう言えます。

数学を知らないまま物理をやるとすごく覚えることが多すぎて、時間がかかってしまいます。たとえば、実験すると3個の独立した関係式が出てくることがありますが、数学を習得していると覚える必要のある式は1個だけで、あとの2個は最初の1個から導き出せることがわかります。

高校の物理で「覚えることが多くて大変だ」と感じている人が多い理由は、先に数学を習得せずに、平行して数学は数学、物理は物理として学ぶからです。これはカリキュラム上そうならざるを得ないからですが……。

高校を卒業すると、数学も一通り学んでいると思います。その知識を持って、もう一度物理を見ると、これまで独立だと思っていた式もいずれ1つの美しい式にまとまることがわかるようになります。

ですから、物理の分野を目指したい方は、ぜひ数学を勉強してください。

物理学を修めるためにはまず数学を Photo by Getty Images

――最後に高校生や大学生に向けてメッセージをお願いします。

なんでもいいので何かに興味を持ち、ワクワクする気持ちを持つことが大切です。

他の人の目を気にせずに自分の好きなことを突き詰めていくのが「学問」になると思います。

大学の勉強というものは、教えられているものをなんとなく理解するようなものではありません。

何か1つ「これは面白い」といえるものを見つけて、その探求に邁進していくことで、勉強も楽しい学問になっていくのではないかと思います。

永廣准教授の研究ノート
永廣 秀子(ながひろ ひでこ)
専門はハドロン物理学理論。理学博士(奈良女子大学)。大阪大学核物理研究センター特任研究員などを歴任。現在は奈良女子大学にて自然科学系准教授。

本記事は「ならじょToday vol.38」(2018年10月)より作成しました。
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