私たちの体の大部分を占める粒子「ハドロン」の秘密を平易に教えます

物理を学ぶために「必要なこと」とは?
ならじょToday プロフィール

通常、実験研究者と理論研究者は、互いに独立して研究し、その結果を研究会や学会などで「発表」という形で持ち寄って議論をしていきます。

一方、我々の研究グループは、研究や実験の準備段階から実験研究者と理論研究者が密に議論を重ねて研究を進めています。これは非常に恵まれた環境だと思っています。

それにより、実験結果がもたらす物理現象の意味を深く理解することが可能になります。

――今までの研究で印象に残ったこと、大変だったことを教えてください。

奈良女子大学大学院を卒業後、大学の非常勤講師をしていました。その後、大阪大学核物理学研究センターに研究員として採用され、またその翌年日本学術振興会の特別研究員に採用されました。

その時に交付された自分の研究費で、スペインのバレンシア大学に渡って研究する機会を得ました。

スペイン・バレンシア地方の街並み Photo by iStock

それまでは大学の先生の指導下で共同研究をしていましたが、スペインの大学では同じ歳くらいのスペイン人ポスドクと2人で研究をすることになりました。指導教員のいない研究が2ヵ月続きました。

そうなると、言われるがまま計算するわけにはいきません。自分たちで議論し、そして、新たに得られた知見について結論を出し、論文を書き、専門雑誌に投稿して、2ヵ月という短い期間で1つの研究に仕上げるという経験をしました。

またこれとは逆に、別の研究者同士で非常に議論が盛り上がったけれど、研究発表にいたるまで非常に時間を要した経験もあります。

そのとき、研究者同士で議論し合うのは非常に楽しいことだけれど、「論文を書き(世界に)発表するところまでやり遂げる」ことが重要である、と気づくことができたのです。

研究を論文として世に出し、公的な機関に審査され、学術誌や論文雑誌に記載されるように情報発信し、研究をアウトプットする作業をしなければ、研究していることにはならない。改めてこのように認識しました。

――そもそも、先生が研究を志したきっかけは何だったのですか。

もともと理科が好きで、小・中学校のころにNHK特集「地球大紀行」などの番組をよく視聴していました。その番組内でビッグバン、素粒子、宇宙などのテーマに魅力を感じたのがきっかけです。「素粒子」「クォーク」などの単語を聞くだけで楽しい時間を過ごすことができました。

そして調べていくと、何もかも説明できてしまうという「万物の理論(theory of everything)」という言葉に出会ったのです。この「何もかも説明できてしまう」という理論に強く興味をひかれ、物理の道へと進むことになりました。

――高校と大学の物理を学ぶ上で、どういうところに気をつけて学べばいいのでしょうか。

 

物理と数学は現在、別々に分類されていますが、もともと同じ分野です。数学と物理はともに発展していきました。