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「赤ちゃんを殺す親」についてフランスでわかっていること

悲劇を防ぐためには

赤ちゃんを殺す母親たち

ドラッグストアの屋外トイレで流産した赤ちゃんを流そうとした死体遺棄の罪に問われている37歳の母親に対し、4月28日さいたま地裁は執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。

被告に対し裁判長は「不意の出産に混乱し、場当たり的な行動を取ったとはいえ、無思慮かつ無責任で自己中心的であり、死者に対する敬虔感情を著しく害する」と述べている。

被告はその時住所不定・無職で「お金がなく育てていくことができなかった」と言っていたという。

その他にも今年になって、赤ちゃんが殺されてしまうニュースがいくつもあった。私たちは自分の赤ちゃんを殺した親についてどれだけのことを知っているだろう。赤ちゃんと母親を助けるためにどのような方法があるだろうか。

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出産時に赤ちゃんを殺してしまった母親たちについてフランスの小児科医のTurszは2011年と2015年に論文を出している。

その中で「貧困と虐待は結び付けて考えられがちだが、あらゆる社会階層において0歳児の殺害と虐待が生じている」とした上で「社会的経済的な要因よりも精神的情緒的側面、特に加害者が子ども時代に経験した暴力や愛情の欠如を検証すべきである」としている。

 

母親の幼少期の経験により、自立していないか他者に依存傾向があり、自己評価が低く、愛情関係において不安で孤立した関係性の中で生きていることが多い。

パートナーや家族との関係性について安心感や安定感が欠けている傾向があり、母親は不安に覆われていることが多く、子の父に捨てられる、親の反応が怖いといったものから、自身を取り巻く全ての人が怖いという人もいて、その結果ますます外出を減らし人と関わらなくなり「誰かに相談したかったけど怖かった」という状況に追い込まれている。

母親が精神疾患を患っている場合は稀で、望まない子の殺害、錯乱状態での殺害、利己主義的殺害、事故による殺害、パートナーへの恨みからの殺害という仮定は全て当てはまらないとしている。つまり子どもを殺すことは、絆が崩壊している状況で起きる殺人であると結論している。

今、女性の生い立ちへのケアが必要とされている。