過剰な衛生対策を虐待と説く
「正論」が噴出

こうした親たちの反応の中でも筆者が一瞬耳を疑ったのが、「今回政府が出した『衛生プロトコル』は、ソーシャル・ディスタンスの点で子供の虐待にあたる」とし、その撤回を求めて署名運動をしているという親たちの存在であった。最初に声を挙げたのが、南東部サヴォア在住の9歳と5歳の子供の父親である町医者だ。賛同者の中には小児科医の親たちも何人かいるという。「学校からの連絡で学校再開の厳しい衛生規則を知った時、前のように学校に通えると思っていた9歳の娘が泣き出した。これはもはや学校ではない。自分の子供をこんな状況におかせるのは納得がいかない。これは虐待だ」と当医師は語る(『franceblue.fr』)。

彼によれば、「感染しても死亡リスクが高くない子供(氏によると死亡率は12歳以下の子供で0.001%以下)に対し、大人のウイルスへの過度な恐怖心をそのまま植えつける必要はない」という。政府が打ち出した衛生プロトコルは、行き過ぎた規定の強要によって子供の健全な精神的成長を妨げかねないとする。これでは、「感染の危険よりも、精神面や感情面での成長が阻害されかねない」と警報を鳴らした。「5歳の幼稚園児を8時間椅子に座らせて(実際は1日の中で断続的に)、友達と1mも距離をとらせること」は虐待にあたるとし、国や市、校長に対していくつかの衛生規則の撤回を求め、現在約2500名が署名をしている。

学校はあっても友達と遊ぶこともままならない。「これは虐待だから過度な衛生管理をやめて」という署名活動が Photo by Getty Images