5月11日にフランスでロックダウンが徐々に解除され、幼稚園・小学校の段階的な学校再開から1週間以上が過ぎた。この間、夏の国内バカンス予約に飛びついたり、パリの広場で5,000人以上が密状態でピクニックを楽しんだりと、あたかもウイルスが消えたかのように振る舞う人が増え始めている。

5月20日のパリ。多くの人がマスクもない状態で公園に集っていた Photo by Getty Images

多くの教師が学校再開に不安を抱くなか、子供を学校に行かせない親もまた多い。市や教師による根強い反発にも関わらず再開を強いられたパリの学校では、24%の子供たちが登校するに留まった。この傾向は地方のグリーンゾーンですら見られ、南仏モンぺリエでは約5%(2万2000人中1200人)の子供たちが校門をくぐったに過ぎず、その数の少なさは今回の自主登校の性質を物語っている。危機感の強い親がまだまだ多い一方で、仕事を優先するしかない一部の親の間では、「ロックダウン解除=元の生活」という認識のずれが見られる出来事も起きている。

再開して間もなく全土で70名の感染が発覚

学校が再開された最初の1週間、ニュースや新聞はその話題で持ち切りとなった。中でも、まだ子供を登校させる決心がつかない親たちが恐れるのは、クラスターの発生だ。多くの親たちが6月上旬に子供たちを学校に戻すべく、この3週間で学校の集団感染が発生するかどうかを慎重に見極めている。

実際、再開直前の週末には、フランス南東部ヴィエンヌ県の中学校で、再開準備を進めていた学校関係者からクラスターが発生。4人の陽性が確認され、9人の隔離措置がとられている。また、再開1週間(実質3日間の登校)で計70名の感染が各地で確認され、4万校中約50校が閉校した。感染者のほとんどがその前週に再開準備のために集まっていた学校関係者とされるが、フランス北部のルーベ市(レッドゾーン指定)では生徒たちからも陽性反応が出たため、この地域の計7校が一斉に門を閉ざすことになった。

さらに、再開前の週末にあたる5月9日には、南部マルセイユで9歳男児が川崎病に似た炎症症状で死亡したケースがあり、新型コロナ感染も確認されている。3月以降、フランスでは約130人の子供にこの症状が見られ、うち半数以上の子供にコロナ陽性が確認されている。両者の関連性は高いとされ現在も調査中であるが、「子供が新型コロナにかかっても重症化しない」とする説を多くの親や教師が疑い始めている。