# ラーメン

「ラーメン一杯1000円以上は高い」論がもはや時代遅れと言えるワケ

飲食店が苦しい今あらためて考えたい
刈部 山本 プロフィール

1000円でもギリギリなはず

今、ラーメンを生業とするということは、数ある飲食がただでさえ厳しい中、はっきり言って苦しすぎる。年商にして何億も儲かる商売だったのは、今は昔。90年代でさえ極一部の店の話で、ほとんどのラーメン店が非常に厳しい経営状況にある。

そこにきてこの新型コロナ。多くの飲食店が進むも地獄、退くも地獄の中、ラーメンを提供し続けたい一心で、テイクアウトに注力するしかない状況となっている。

ラーメンはそもそも汁物。テイクアウトには向かない中、サイドメニューやチャーシューを持ち帰れるようにするものから、スープを容器に入れラーメンそのものを家で楽しめるようにするといった、 前述の『宅麺』に似たサービスを行う店まで、多くのサービスが出てきている。

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そうすると、どうしてもこれまで使ってこなかった容器を新たに調達するようになるなど、店で提供するよりさらにコストがかかってしまう。1000円でも安いほう、筆者の知る限りでは二郎で一杯2000円のところまで出てきている。果たしてこのような状況で、それでも「ラーメン一杯1000円以上は高い」と言えるだろうか。

常態化すれば多少は安くなるかも知れないが、特に二郎系のラーメンは量が多い分、材料費も提供スピードも、そして食べる側のスピードもかかってしまう。どんなに行列しても、その採算ラインは通常営業でもかなりギリギリなはずだ。

それを今後、席数を減らるなどとすれば、当然一杯のコストに上乗せせざるを得ない。そう考えた時、たとえ正常化したとしても、これまでギリギリだったラインに戻した価格を今後も食べる側が求めるべきなのだろうか。

これまで店側の良心に甘えてきた部分を、コロナ禍で今一度、考える機会が与えられているように思えてならない。