ペットを痒みから救えるのは
飼い主であるあなただけ

犬や猫は赤ちゃんと同じくらい皮膚が薄く、また「掻いちゃダメ」と言っても痒かったら皮膚を傷つけるまで掻きむしってしまう。薬も自分では塗ったり飲んだりできないし、自分でこまめに体を洗ったり保湿をすることもできない。苦しみを取り除いてあげられるのは、飼い主であるあなただけなのだ。

「掻いちゃダメ」といっても難しい…Photo by iStock

ちなみに皮膚の病気はとてもデリケートな問題である。これは娘の時にも感じたが、いくら仲が良い人でも、「この皮膚は病気だから病院に行った方が良い」とはっきり助言してくれる人は少ない。

また、「うちの犬は気性が荒くて病院では診てもらえないかも」と思う飼い主もいるかもしれない。しかしその気性が荒い原因が、耳の痒みや皮膚の痒みで夜も眠れない位ストレスがかかっているせいだとしたらどうだろうか。ひどい外耳炎で、はじめは耳を触ろうとすると噛み付いてこようとしていた柴犬が、治療を続けるうちに嫌がらずに耳掃除をさせてくれるようになったこともある。

繰り返しになるが、自分ではどうしようもない痛みや痒みに苦しんでいるペットを救えるのは飼い主のあなたしかいない。

皮膚病の治療方法は様々である。飲み薬や塗り薬を組み合わせたり、シャンプー療法や保湿剤を積極的に使ったり……最近では注射薬も出てきた。現在の治療方針に疑問を感じたり、説明に納得ができなければ、別の病院でセカンドオピニオンを求めてもよいだろう。
もしあなたの犬や猫が体質からくる皮膚病であり、それが治らないものだとしたら、皮膚トラブルとは一生の付き合いになるのだから。

私の病院は愛知県内にあり、緊急事態宣言解除を受けて今月の15日から通常営業に戻した。それまでは時間を短縮し、また問診や会計は全て駐車場や外待合で行い、処置が必要な場合はペットのみお預かりして、飼い主には外で待機してもらっていた。
仕方がないとは言え、駐車場で飼い主からじっくりお話を聞くのはなかなか難しく、特に皮膚科の診察に関してははがゆいものがあった。通常営業に戻したことで、診察室内で座ってゆっくり飼い主とお話しができるようになり、改めてじっくりお話することの重要性を感じている。

「皮膚科は話し科」と表現する皮膚科の先生もいる。愛犬の皮膚トラブルに悩む飼い主が、納得できるまでじっくり話してもらえる先生に巡り合えることを願っているし、私もそう思ってもらえるように日々の診察にあたっている。

片川優子さん連載「ペットと生きるために大切なこと」今までの連載はこちら
文献1
アニコム家庭動物白書
https://www.anicom-page.com/hakusho/