他の病気が隠れていると治りにくい

一度できれいに治り、その後再発しないに越したことはない。しかし残念ながら、膿皮症や、外耳炎などの皮膚トラブルを繰り返してしまう子もいる。その場合は、他の病気が隠れていることが多い。

外耳炎の症例。こういう皮膚病は別の病気が隠れていることも 写真提供/片川優子

症状の出始めが2〜3歳で、トイ・プードルや柴犬に多いのは、アトピー性皮膚疾患だ。
また、中高齢以降に皮膚トラブルが初めて出たり、今までより悪化したりした場合は、甲状腺や副腎から出るホルモンの異常が原因かもしれない。この場合、内服薬で皮膚症状が改善する。

ほかに、食べ物に対するアレルギーにより皮膚症状が出る場合もある。その場合は、原因となる食べ物を避ければよいのだが、犬や猫の場合、人間のように血液検査の精度があまり高くないので、数ヵ月かけて根気強く原因の食品を探していく除去食試験というものを行う必要がある。しかしその期間だけ頑張れば、その後「食べても痒くない食品」を探すことができ、うまくいけば体に負担のかかる薬の量を減らすことができるだろう。

アトピー性皮膚疾患は、先に述べた花粉症のように体質によるものなので、「治す」のは難しい。ハウスダストにアレルギーがある場合、減感作療法という治療により症状を軽くすることはできるが、それ以外の治療法はすべて今の痒みや炎症を抑えるためのもので、「治す」ためのものではないことがポイントだ。

そのため、「長年薬を飲み続けているけれど一向に皮膚が治らない」という状況に陥ってしまうことがある。残念ながら、動物病院によっては、あまり説明もなく、痒み止めと抗菌薬だけを出し続けることもある。疑問を感じたら、セカンドオピニオンを求め別の動物病院に行ってみるのも一つの手かもしれない。