梅雨時に多い膿皮症

梅雨時には、飼い犬の外耳炎や、膿皮症(のうひしょう)といった皮膚トラブルで動物病院に来院する飼い主が増える。
最近愛犬のお腹にニキビのような出来物ができたと思ったら、すぐになくなった後、丸く薄皮がむけてしまった。赤くて少し痒そう――もしそんな症状があったとしたら、膿皮症という病気かもしれない。

膿皮症の一例 写真提供/片川優子

膿皮症では、黄色ブドウ球菌という細菌の一種が皮膚の表面で過剰に増え、痒みや皮膚の炎症が起きてしまう。梅雨のようなじめじめした湿度の高い時期は、細菌にとっては増えやすい快適な環境なので、注意が必要だ。
ちなみに外耳炎も、特に垂れ耳の犬などは梅雨時に悪化することが多い

外耳炎は垂れ耳の犬は要注意 Photo by iStock

そもそも黄色ブドウ球菌は、なんの皮膚トラブルもない犬や猫の体の表面にもいる「常在菌」と呼ばれる菌の一種である。しかし、なんらかの理由によりこの菌が増えすぎて、菌同士のバランスが崩れると、痒みや炎症などの皮膚トラブルを引き起こす。
そして、痒みにより皮膚をかきむしることで、皮膚のバリアが壊れ、細菌による炎症が悪化し、さらに痒みが増してしまうという悪循環が起こる。
まずは痒みを止め、増えすぎた菌を薬やシャンプー療法などで減らすことにより、皮膚を正常な状態に戻すことが大切である。

通常であれば、飲み薬や塗り薬、消毒やシャンプーなどを組み合わせることで、痒みは止まり、増えすぎた菌も正常の数に戻り、2週間〜1ヵ月ほどできれいに元どおりの皮膚に戻る。
しかし、すんなり治ることは正直少ない。特に一度治ってもたびたび膿皮症になってしまう子の場合、アトピー性皮膚疾患などの他の病気がそもそもの原因であることが多いのだ。