検察は「正義の味方」ではない…マスコミとの癒着と「暴走の過去」

真に懸念すべきことは何か
長谷川 幸洋 プロフィール

証拠隠滅の法定刑は2年以下の懲役または罰金であり「司法作用に対する犯罪としては極めて軽い」。これに対して、特別公務員職権濫用罪の法定刑は6月以上10年以下の懲役または禁錮とはるかに重い。

本来、公正であるべき検事が不当な裁判と承知のうえで、村木氏を起訴したのであれば、どこかの暗黒国家のような話である。重罪に問うのは当然だろう。

そのうえで、郷原氏は「上司、上級庁の決裁において、不正な証明書の作成指示が『いつ』『どこで』『どのように』行われたのか、について客観的な証拠関係を質問せず、問題にしないことはありえない」と指摘し、事件は検察全体の問題だったと強調している。

郷原氏は、検察には「『検察という組織にとっての不祥事』と捉える発想も、それを社会との関係で考えるという視点もなかった」「検察中心の『刑事司法の正義』の発想でしか捉えられず、(主任検事逮捕という)判断を拙速に行ったことが、その後、国民の検察に対する信頼の失墜に向かう転落の契機となった」と厳しく批判した。

 

陸山会事件

そんな「予言」が的中したかのように、直後の11年12月には、もっと醜悪な事件が東京地検特捜部を舞台に起きた。民主党の小沢一郎元代表(当時)が標的になった陸山会事件で、検事が虚偽の捜査報告書を検察審査会に提出し、小沢氏を起訴議決の方向に誘導したのである。

これは、まさに「前代未聞のでっち上げ事件」だった。