給付金がもらえない…制度のスキマに落ちた「フリーランス」の悲鳴

必要な人に届かない…
山本 亮 プロフィール

「制度のスキマ」に落ちる

別の事例をご紹介しましょう。

40代女性Aさんは「給与所得」として収入を得ていたために、持続化給付金が受け取れませんでした。Aさんはこう語ります。

「専門学校とピアノ教室で、非常勤講師をしています。学校、ピアノ教室の運営会社ともに、業務委託契約を結んで、個人事業者として働いているにもかかわらず、税務署の判断は『社会保険無しの給与所得(源泉徴収有り)』ということになり、持続化給付金の対象から除外されています。

労働基準法に基づく休業手当のほうは『(社会保険料を払っての)雇用関係』にない非常勤講師は対象外とのことで、雇用調整助成金の制度からも見放されています。
このままの状況が継続し、仮に夏まで休校が続くとすれば、家賃、年金、健康保険、車の維持費などの支払いで、生活が立ち行かなくなります。

こうした業務委託契約は、音楽講師、英会話講師、塾講師、予備校講師などでよく見られる形態らしく、かなりの人が厳しい状態に陥っていると思います」

〔PHOTO〕iStock
 

業務委託契約であれば、一般的には企業側から提出される報酬の支払調書をもとにして、事業所得で確定申告します。そして、雇用契約であれば、給与所得の源泉徴収票をもとにして、給与所得で確定申告するのが一般的です。

ところが、Aさんのように、依頼主と業務委託契約を締結しているにもかかわらず、支払は給与として払われる、というケースは決して少なくありません。

その場合、契約は業務委託であるのに、税法上は給与扱い、にいうことになります。

もし雇用関係にあれば、労働基準法の休業手当によって減収分を補うこともできますが、Aさんの場合、雇用関係ではないので、それはできません。

にもかかわらず、税法上は給与所得であるために、持続化給付金についても対象外となってしまっています。

労働基準法と所得税法の取り扱いのねじれにより、「制度のスキマ」に落ちてしまっているというわけです。

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