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日本人が知らない「検察の恐怖」…法案反対だけでは見えてこないこと

検察人事と検察捜査、それぞれの思惑

本来別物の検察人事と検察捜査

「#検察庁法改正案に抗議します」というツイッター上の投稿が、政府を動かし、今国会での成立を断念する動きの裏で、検察は河井克行前法相、妻の河井案里参院議員の公職選挙法違反容疑の捜査を続けていた。

投稿数が700万件に迫ったのは5月11日深夜だが、『共同通信』や『読売新聞』は、13日朝の段階で「河井前法相、立件視野」と、報じた。

「特例措置」で、内閣が検事総長や高検検事長などの定年を延長できるというのが検察庁法改正案。検察は、人事権を握ろうとする内閣に、「法改正は、河井夫妻捜査のような都合の悪い事件に、政治権力を行使したいからではないか」と、捜査が佳境に入っていることを見せつけ、水を浴びせた。

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検察人事と検察捜査――。

本来は「別物」であるはずが、準司法として公平中立でなければならないという意識を持つ検察は、組織と人事に政治の側から手を入れられそうになると、異様にファイトを燃やして立ち向かう。

 

既視感がある。09年3月、検察は、政権交代目前の民主党において最大実力者だった小沢一郎代表の秘書を逮捕、小沢首相の芽を潰したことがある。政治主導、官僚支配からの脱却を掲げる民主党は、小沢代表のもとで検事総長の内閣同意制、検事正の公選制などを論議していた。

田中角栄元首相を師と仰ぎ、金丸信元自民党副総裁の秘蔵っ子だった小沢氏は、「2人の親父」を東京地検特捜部に逮捕され、検察には暗い情念を抱いている。

その小沢氏が、「検察人事に手を付けることで、意趣返しをしようとしている」と、検察は受け取った。それが、10年1月の再度の小沢秘書逮捕に繫がった。それだけ捜査は執拗だった。

今回、国民もメディアも松尾邦弘元検事総長ら検察OBも、一体となって拙速で身勝手な検察庁法改正を批判、政府は成立を断念した。

それは当然ながら、検察人事に対しては検察捜査で応える検察の怖さを知り、検察の正義を問わねばなるまい。

今回の流れを再確認しよう。

検察庁庁舎〔PHOTO〕WikimediaCommons;Copyrighted by っ
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