「コロナ後」に世界の株価はいったいどうなるの…? その意外すぎる答え

株価と経済の乖離が広がる。つまりは…
唐鎌 大輔 プロフィール

「過剰な貯蓄」がもたらす世界

こうした状況は株価が個別企業の「業績」ではなく緩和策を前提とした「金融環境」に左右されるという世界だ。

この点、為替市場が金利という伝統的な道標を失ったのと同様、株式市場も業績という伝統的な道標を失ったように思われる。過去の本欄への寄稿『2020年、日本円の「不人気」はまだまだ続く…のか?「動かないドル円」の行方』でも議論したが、近年、為替(ドル/円)市場に関しては、企業部門による対外直接投資の活発化が「売られたまま戻って来ない円」の割合を対外純資産残高の中で上昇させているという現実が指摘されてきた。

それこそが「リスクオフ時に円が買い戻されない遠因である」という論調は今や為替市場では相応に市民権を得ている。

 

上述したように、企業の合従連衡が「民間部門の貯蓄過剰」の定着と共に進んでいくとすれば、もとより自国市場が縮小傾向にある日本企業は生き残りを賭けて一段と対外直接投資を増やす必要性が出てくるのではないか。

そのように考えると、結局、動かなくなっている円相場や高止まりしている株価を解釈する出発点として「民間部門の貯蓄過剰」という構造変化があるように思えてくる。