コロナ時代には「紙とハンコ」の文化はヒトの命をおびやかす

進化が80年代で止まっている日本
野口 悠紀雄 プロフィール

ハンコ文化から脱却できない

紙文化と密接に繋がっているのがハンコ文化だ。これは日本の遅れの象徴だと指摘されるが、そのとおりだ。

テレワークに移行したものの、役所に提出する申請書にハンコを押すためだけに、感染リスクをおかして出勤しなければならない。

社内の改革は、トップが決断すれば進む。しかし、社外については、取引先企業の事情や業界の取引慣行があるので、改革はなかなかできない。

そして、最終的には役所が立ちはだかる。いくら民間が改革をしようとしても、紙とハンコに守られた役所の壁を越えることはできない。

昨年の暮れに、日立キャピタルなど3社が、契約書に押印するロボットを開発した。サービスは月額制で、料金は数十万円程度だという。

 

「ハンコを押す行為を自動化するのでなく、ハンコを押す行為をなくす」のがイノベーションのはずなのだが、開発側としては、「人間がやらなくてもいい単純作業」をなくすことが目的だという。

本末転倒とは、こういう状態を形容するための言葉だ。

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