5月23日 三浦雄一郎が80歳でエベレスト登頂(2013年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

2013年の今日、登山家の三浦雄一郎(1932-)が息子の豪太(1969-)とともにエベレストの登頂に成功しました。この時の雄一郎の年齢、80歳は、エベレストの登頂に成功した年齢としては最高齢です。

80歳にしてエベレスト登頂に挑む三浦雄一郎 Photo by Flickr

雄一郎はもともと冒険家として知られており、30代の頃からアドベンチャースキーヤーとして活躍していました。1970年にはエベレストの8000m地点からスキーでの滑降に成功するなど、いくつもの世界記録を打ち立てたのです。

しかし、引退して数年後に健康診断を受けた雄一郎は、自身がいくつもの生活習慣病にかかっていることを知り愕然とします。プロとしての活動を終えた後、自然と生活が不摂生なものになってしまっていたのです。そして、自らの生活を反省した雄一郎は70歳でエベレストに登頂することを決心しました。

 

現役スキーヤーの息子・豪太、90歳になってもなおモンブランなどで滑降している父の敬三(1904-2006)の姿が、雄一郎にこの決心をさせる原因となりました。三浦家は、敬三から三代続くスキーヤーの家系だったのです。

三浦敬三 Photo by ミウラドルフィンズ

雄一郎は、自ら考案したリュックに重しを入れて移動するトレーニングや、心房細動治療を経て完全復活し、2003年に宣言通り70歳でのエベレスト登頂に成功しました。これは当時の世界最高齢記録でしたが、その後2008年、2013年にも登頂に成功し、最高齢記録をさらに塗り替えたのです。

2013年、80歳での登頂は特に厳しいものでした。もちろん、酸素ボンベなどの機器は最高のものが揃っており、シェルパたちも経験豊富でした。しかし、8848mを登り切った雄一郎は疲労困憊しており、頂上ではメディアからの取材も受けていたのです。

そして、標高6500mのC2まで下った雄一郎は、登山隊を全員無事で帰還させるためにベースキャンプまでヘリで帰還する決断を下します。このように、雄一郎の挑戦は、準備から下山に至るまで、確かな科学技術に支えられていたのです。