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9・11と3・11から読み解く「コロナ禍における人間の行動」

愛着説と経済説から
田島 寛 プロフィール

3つの災害の比較

結婚、出産、離婚に対して、コロナがどう影響するかを予想する前に、3つの災害の性質の違いについて少し考えてみよう。

9・11は人為的な災害で、一番大きな被害はワールドトレードセンターの爆破だった。危機的状況は数日のうちに収束し、9・11はその後の安全保障や国防のあり方に大きな影響を与えた。

それに対し、3・11はハリケーンヒューゴと同様自然災害だったが、被害を受けた範囲ははるかに広く、地震や津波に加え、原子炉のメルトダウンによる被曝も大きな問題となった。3・11は地震、津波、被曝という人類にとって未曾有の大きな災害となり、全ての原発の運行が停止され、政府の原子力政策も見直しを迫られた。34万人が他府県に流出し、9年後の今なお4万人が避難生活を続けている。8

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コロナ禍は、今まで述べたきた災害と違い、「全世界」に及ぶパンデミックで、日本でも1県を除いて、多数の感染者を出している。国ごとの対応によって感染の状況が異なるため政治的要素も看過できない。

コロナの感染も3・11の被曝も原因となるウィルスや放射能は目に見えない。だが、コロナの場合は2週間程度で症状が現れるが、放射能は病状が顕在化するまでもっと長い時間がかかるケースもある。今回のコロナ禍では都市部からの脱出には自粛が求められているが、仮に脱出が可能だとしても、長期的に何処かへ移住できるのは富裕層か、実家が地方にある人に限られる。