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9・11と3・11から読み解く「コロナ禍における人間の行動」

愛着説と経済説から
田島 寛 プロフィール

東日本大震災と愛着説・経済説

ニューヨークの同時多発テロのちょうど10年後の2011年に、東北地方は3・11と呼ばれる東日本大震災に襲われ、岩手、宮城、福島の3県は甚大な被害をこうむった。その後、この3・11は結婚、出産、離婚にどのような影響を与えたのだろうか。

婚姻数は、県によってばらつきがあったが、3県を合計すると増加だった。新生児の数も震災の翌年と次の年を平均すると増えている。離婚は3県とも10%以上の減少だった。 5

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特に出生数に関しては、死者1万5899人、行方不明者2529人、そして10万8725人の避難者を出したにもかかわらず、震災後の2年間で、7万6171人もの新しい命をこの世に送り出したことになる。6

このように、被災地では、結婚する人も子供を産む人も増え、離婚する人は減った。「愛着」説の予想が当たったことになる。日本全体で見ると、「出生数」は震災の翌年は1万3000人減り、次の年は7000人減った。7しかし、「出生率」は2年連続で上がっている。

少子化を論ずる際には「出生率」ではなく「出生数」を確認することが必要だ。震災は日本の婚姻・出産・離婚の減少傾向に大きく影響することはなかった。この点はアメリカと同じだった。