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コロナ危機後、日本の都市は「保守化」していく

渋谷から見えてくること

都市の老化

アフターコロナ、またはウィズコロナになるかは別として、わたしたちの街が今後どうなるかは予断を許さない。ただひとつ確からしいのは、街の保守化がいっそう進むのではないかということである。

平成以後の街をみるとき、目立つのは、その保守化と、同じことだが新陳代謝の低下である。東京にしろ、地方都市にしろ、00年代頃より急速に、多かれ少なかれ街は停滞し、あらたな商品や情報を発信することを減らしてきた。

その良い例が、渋谷である。80年代に「渋カジ」と呼ばれるファッションが生まれ、90年代に「渋谷系」と呼ばれる音楽がヒットしたように、以前、渋谷はあらたなファッションや情報を生み出す若者の街として東京に君臨してきた。

しかし現在はそうとはいえない。若者はどこかに消え、より保守的な街に渋谷は変化している。

たとえば2019年に渋谷にオープンした東急プラザ渋谷は、「大人をたのしめる渋谷へ」をコンセプトとし、「40~60代の高感度で、本物・本質を知り、遊び心のある大人」 をターゲットとしていた。同じく2019年に改装された渋谷パルコも「ノンエイジ」を表明し、少なくとも従来のように若者を中心とした客とはしないことを宣言していた。

そうして渋谷はあらたな購買力を探そうとするのではなく、従来からいる層に迎合し、かつての消費者にいっそうの消費を促すという戦略に出ているのである。

 

こうして渋谷が保守化しているのは、主要な客としての東急沿線住人が成熟していることも部分的にはあるかもしれないが、より大きくみれば、東京、あるいはより広く日本の都市を襲った90年代以降のデフレと少子高齢化が原因となる。前者については、雇用の不安定化や、時給の停滞が若者の購買力を奪っている。

後者については、日本全体追いかけ東京もますます高齢化し、若者集団の相対的な人口学的な力を小さくしている。実際、65歳以上の人口の割合を示す高齢化率は、東京でも1990年10.6%から2000年の15.9%、2010年の20.9%、そして2015年の22.2%と20年でほぼ倍増した(図1)。それはおもに少子化によって引き起こされたが、それとデフレ的不況が重なることで、若者集団の購買力は相対的に縮小している。

図1 東アジア都市の高齢化率(日本および東京都は統計局統計調査部国勢統計課、ソウルはKorean Statistical information service、台北市はNational statistics, Republic of China(Taiwan)のデータを使用)