目先のマイナスに動揺しないために

長期投資を始めてから15年。この間、リーマンショックもあったし、日経平均が8000円代になったこともある。
「この時は持っていたさわかみファンドの評価額がマイナス20万円になりました。でも銀行株で15万円を失ったのとは違って、投資信託はなくならないんですね。日経平均が8000円で終わるはずはないと思ったし、仮に11000円で終わっても、そんなに赤字にはならないし。いつか日の目を見るだろうなと思っていました」
今、日経平均は2万円前後なので、相当に日の目を見たと言えるわけだ。

そして今度の新型コロナウィルスである。株価が総崩れになった3月、投資信託と株を合計して、総額100万円ものマイナスになった。
「さすがに、まずいなと思ったんですけど、慌てても仕方がないので、しばらく様子を見ていました。するとひどい下落は一瞬で、その後は少しずつ戻ってきたので、とりあえず大丈夫かなと思っています。これは東日本大震災のときの教訓が生きたのではないかと思っています。個別株にしても、私が持っているのは、生活に必要な会社の株ばかりだから、いずれは戻ってくるだろうと思いますし。実際、コロナウイルスの影響で、逆にポンポンと株価が上がった企業もあります。一瞬、売ろうかと思いましたが、踏みとどまりました(笑)」

来年、60歳になる長山さん。現在は勉強の成果を生かして、FPと保険代理店の仕事をしながら、実母と一緒に200坪の畑を耕して野菜を作っている。米と肉・魚以外の食べ物はほぼ自給できるし、資産形成についても大きな不安はない。また長期投資の仲間を増やすための活動を続けているのが、彼女らしいところだ。年に4回はセミナーを主催してきたし、長期投資を始めた女性たち数名と定期的に情報交換をするのが楽しみだという。

同じ興味を持ち、それぞれが学んで信頼できる友人同士で情報交換や勉強会。それも豊かな人生を作る大切な要素だ(写真の人物は本文と関係ありません) Photo by iStock

そんな彼女の自立した姿を見ると、長期投資で成功する人の共通点が見えてくる。失敗したら原因を確かめ、きちんと勉強をして不足した部分を補う。負けず嫌い。そして自分で決断して、確実に実践する。投資は長期でやるものだけれど、行動は常に今、この瞬間だ。そして投資という切り口で、こういう女性の生き方を垣間見られることが、長期投資家ウォッチャーの、私自身の楽しみなのだと思う。