大切なのは「会社の値段」より
「どんなどんな会社か」

実に遠慮のない質問だ。要するに、どの株を買ったら儲かるかを質問したのだ。
「ところが澤上さんは適当にあしらって、全然、返事をしてくれないんです。それで1時間くらい話を聞いていたら、澤上さんは『社会にとって、大事な会社がある』と一生懸命に話をされているんです。あれ、もしかして私の考え方がおかしいのかな、と少しずつ気がつきました」

そこで再度、長山さんは質問をした。

「社会にとって大切な会社は、どんな会社ですか?」
その答えはとてもシンプルだった。食料品、薬、洗剤、シャンプー、衣類、車、電気など、日常生活の中で絶対に欠かせないものを作り、従業員を大切にし、環境などにも気を配っている会社が、社会にとって大切な会社なのだ。そういう企業の株を買い、長期間にわたって応援し続ける。それが長期投資の基本だという。

「確かにシンプルですよね。でも生活実感がある。これが本物だという気がしたんです」

「儲かる会社か」だけを見るのではなく「どんな会社か」を見る視点を教わった Photo by iStock

株価下落で100万円損をしたけれど……

とはいえ株式投資にはまとまったお金がいるから、複数の企業の株を買うのは難しい。長期投資のために設計された投資信託なら、生活者のために必要な企業の株がたくさん入っているからリスクも低いし、通常1万円単位で購入できるので、お財布に自信がなくても、大丈夫だ。そこで長山さんは2005年、さわかみ投信に口座を開設し、月1万円の積立を始めた。

その後、FP協会のセミナーで知ったセゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」鎌倉投信の「結い2101」コモンズ投信の「コモンズ30ファンド」にそれぞれ10000円から5000円の積立を続けている。どれも長期投資に軸足を置いたファンドだから、納得して購入しているし、長山さんは年に4回、セミナーをみずから主催して、各投資会社の社長やファンドマネジャーを呼び、話を聞いている。運用している人の顔を直接見られるというのは、やはり安心感が違う。また個別株を買うところからスタートした経験もあるので、彼女は今でも株を5銘柄ほど持っている。化粧品や衛生用品のメーカー、株主優待が楽しみな会社など、合計200〜300万円の資産になっている。