イタリアでは18日から経済活動が再開された

サイクリングにブレスレット…コロナに勝つイタリア人の様々な工夫

営業時間は延長するほうがいい
新型コロナウイルスで大打撃を受けたイタリアは、厳しい条件下で経済活動を再開し始めた。イタリア人は、対人距離を確保するために、サイクリング・ミーティングや感染防止ブレスレットなど次々と新しい手法を生み出して第二波に備えている。ローマの商店が営業時間の延長を検討している理由とは? イタリア在住のライター・田島麻美氏による現地最新ルポ!
 

リスクを受け入れなければ…

5月16日の記者会見で、コンテ首相は10週間に渡って全土で実施していた厳しい移動制限の解除を発表した

5月4日からの段階的規制解除の第一歩である「フェーズ2」で懸念されていた感染の再爆発は起こらず、今日現在まで感染者の総数、集中治療患者数、入院患者数、犠牲者の数は大幅に減少し、完治者数は増え続けている。規制緩和後も新たな感染者は引き続き確認されているものの、感染率は0.4%と安定してきた。

さらに、非常事態の緊急金融政策により医療現場の受け入れ態勢を大幅に向上させたことから、政府と各州は「計算済みのリスクを受け入れられる状態」から経済活動を再開することで合意した。

会見の中でコンテ首相は、「各州と政府との間で綿密な協議をした上で、州ごとに営業再開のガイドラインを提示する。州にガイドラインがない場合は政府のルールを遵守すること」とし、「活動を再開すれば感染者数は再び上昇するだろう。しかし、このリスクを受け入れなければいつまでたっても経済活動を再開できない」と述べた。

また、「今一度明確にしておくが、今後もいかなる場合に置いても、国民の健康、人命を最優先することに変わりはない。状況が再び悪化した場合は再度封鎖措置を取る」と明言した上で、「外出時にはマスクを携帯し、国民一人一人が責任ある行動を」と強調して呼びかけた。

営業再開に関するガイドラインはこれまで同様、州、業種、施設規模などによって詳細に決められ、違反者には罰金や営業の即時停止など、厳しい罰則が課せられる

レストランは完全予約制

5月18日から7月31日まで有効の今回の首相令によって、州内の移動の自由、バールやレストランの店内でのサービス、美容院・小売店の営業、教会でのミサ、ショッピングセンターの営業、海水浴場の利用などが、対人距離の確保、マスクの着用、衛生環境の管理などの条件つきで可能となった。

首相令が出た翌日の日曜日から、イタリア全土で本格的な経済活動再開の準備がおおわらわで進んでいる。

5月18日から適用される新ルールのリスト。ビーチではパラソルの間隔を3m以上取るなど、施設や業種ごとに厳密なルールが決められている(図表・L’EGO-HUB)

地団駄を踏みながら再開を待っていたレストラン、美容院、バールや商店のオーナーたちもこれでようやく動き出せたわけだが、営業条件は非常に厳しい。

例えば美容院では店内の対人距離を1m以上確保すること、完全予約制で入店できる客の人数を制限すること、スタッフは指定された専用マスクを着用すること、体温測定を随時行うことなどが決められている。

レストランの利用も完全予約制、入店する客・スタッフの体温チェック、消毒ジェルの常備、スタッフのマスク・手袋着用、席と席の間に1mの距離の確保などが義務付けられた。

ローマ市のあるラツィオ州では海水浴場や美術館・博物館の営業も再開し、25日からはスポーツジムやプールなども再開していくなど、夏に向けて段階的な施設開放を行っていくことが発表された。