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アベノマスクが、あらゆる点で「決定的にダメな政策」である理由

目的が曖昧、高コスト、透明性が低い

もはや失笑の対象となったアベノマスクについて、前回の記事では調達手続きの透明性について指摘を行った。今回は政策としての有効性について検証する。

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目的、手段、透明性の確保が重要

アベノマスクに限らず、民主国家におけるすべての政策というのは、(1)目的が明確であること、(2)目的を実現する手段が具体的であること、(3)事後に検証できること、の3つを満たす必要がある。

なぜ上記3つが重要なのかというと、民主国家における主権者は国民だからである。選挙を通じて期限付きで行政権を付与されたリーダーは、国民の意に沿う統治を行うことが求められており、遂行された政策は(主権者である)国民が判断できるものでなければならない。

株式会社の場合も同様で、国家でいうところの主権者は会社の所有者である株主ということになる。取締役は株主総会で選出され、株主から経営を託されるが、どのような経営を行っているのか、主権者である株主が明確に理解できるよう、株主に説明することが求められる(いわゆるコーポレート・ガバナンス)。

この話を国家と比較すれば、内閣は取締役会に相当すると考えてよいだろう。国家は規模が大きく、直接民主制でもない限り、株主総会のように全員の意思を表明することはできないので、民意を示す機関として議会が存在している(議会制民主主義)。

上記のプロセスは主権者が国民である民主国家においてのみ成立する概念である。日本のすぐ隣にも独裁国家が存在しているが、こうした国々では国民が政策プロセスを検証しないので、透明性を確保する必要はない。逆に言えば、日本が民主国家ならば、政策の目的や実現手段がはっきりせず、事後検証ができないものは政策としては不適切ということになる。