日本ではさまざまなデザインの「ファッションマスク」が登場しているが… photo/iStock
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社会貢献か、便乗商法か…? 大流行中「ファッションマスク」の功と罪

「マスク不足」解消後に起きること

著名なラグジュアリーブランドから無名の縫製工場までファッション業界のマスク生産が広がっているが、医療関係者への無償提供からそれなりのプライスを付けた“ファッションマスク”のビジネスまで様々で、医療従事者の支援や感染防止という本来の目的から外れたものも見受けられる。

マスク不足もピークを過ぎようとする今、冷静に見直してみる必要があるのではないか。

ノブレス・オブリジュな社会貢献

コロナ・パンデミックに一早く向き合って、医療用の防護マスクや防護ガウン、消毒用アルコールジェルなどの生産に踏み出したのはラグジュアリービジネスだった。

ディオールやジパンシーのLVMHパヒューム&コスメティクスがアルコールジェルの生産で先鞭をつけ、同グループのルイ・ヴィトンは自社アトリエで医療用の防護マスクとガウンを、ディオールはベビー・ディオールのアトリエで防護マスクの生産を始めた。

LVMHグループでは、ブドウ収穫期の季節労働者用施設を医療従事者が使用できるよう提供するとともに、オーバン・モエ総合病院で働くチームへ毎日朝食を届けるなどもしているという LVMHホームページより
 

ブルガリはハンドサニタイザーを、プラダは医療用防護服とマスクを、ケリングのサンローランやグッチも防護マスクや医療用防護服の生産を開始。シャネルも自社の職人たちを組織して防護マスクと防護服の生産を始めている。

これらはファッションデザインを訴求するものではなく医療用の品質基準に従った機能的なもので、市販商品にありがちなブランドのロゴなども入っておらず、すべて医療機関などに無償で寄付される。

ロックダウン休業の苦境にあっても機に乗じて商売にすることなく、ノブレス・オブリジュに徹しているのはブランド帝国のプライドなのだろう。

それに対して、我が国のファッションマスクは一部には苦し紛れの時流便乗が疑われるものもあり、機能性でも課題が指摘される。