今度はオゾン発生器? 消えない「コロナ便乗商法」に要注意

大学の研究成果を利用したものも多数
鷲尾 香一 プロフィール

高濃度のオゾンは人体に有害

この研究結果が発表されると、ネット上では、「医療現場などへの応用が期待できる」などと評価する声が続出。同時に、早くも「オゾンが新型コロナウイルス対策に有効」との謳い文句で、この研究結果をオゾン発生器の売り込みに使うものが出始めた。

中には、「オゾン発生器はマスクのように売り切れ御免状態になるかもしれません」と、購入を煽るような書き込みまで出ている。

 

しかし、オゾンは腐食性が高く、生臭く特徴的な刺激臭を持ち、フッ素に次ぐ強い酸化力を持つ高濃度では猛毒の気体だ。

急性・慢性双方の中毒症があり、急性中毒では目や呼吸器が刺激され、高濃度になるにつれて咳やめまいが引き起こされる。さらに高濃度になると呼吸困難や麻痺および昏睡状態になり、放置しておけば死亡する。慢性中毒では倦怠感や神経過敏など、神経の異常や呼吸器の異常をきたす。

厚生労働省が認めているオゾンの作業環境基準は0.1ppm。さらにNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)によれば、オゾン濃度が人体に与える影響について「5~10ppmでは呼吸困難、肺うっ血、肺水腫、脈拍増加、体痛、麻痺、昏睡」とし、低濃度でも「0.5~1.0ppmでは呼吸障害、酸素消費量減少が、0.8~1.7ppmでは上気道の刺激症状、1.0~2.0ppmでは咳嗽、疲労感、頭重、上部気道の乾き、2時間で時間肺活量の20%減少、胸痛、精神作用減退」が起こるとしている。

つまり、奈良県立医科大学が実験で用いたような「6ppm」や「1ppm」といった高濃度のオゾンは、家庭用の機器では発生できないし、させるべきでもない。従って、今回示されたような「オゾンが新型コロナウイルスを不活化する」という事実は、現在販売されている家庭用の「オゾン発生装置」の有効性を示すものではない。

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