新しいビジネスは「偏在」を発見することから生まれる

『問題発見力を鍛える』vol.14
細谷 功 プロフィール

シェアリングエコノミーは地球にもやさしい

さらにこれを一般化して考えれば、「部屋」や「座席」以外でも偏在があるもの全てに関してそれらを平準化するという問題解決の方向性が考えられるため、そのような偏在を見つけることが先に述べた通り、まさに問題発見の目の付け所ということになります。そこでうまく上記のような補完関係にあるニーズを見つける、あるいは創造することができれば、それが問題解決の方向性になります。

近年、様々な機器などでシェアリングエコノミーが進み、たまにしか使わないようなもの(つまり利用時期が偏在しているもの)については所有から共有へという流れが加速しています。

これはここまで話してきた「偏在」という昔からあったニーズに加えて、スマートホンやその上で走るアプリといったICTの進化というシーズ側の進化がうまく組み合わさった結果と言えます。

これに加えてもちろんシェアリングエコノミーの背景には「ろくに使いもしない」機器を各個人の所有のために生産するという地球環境にやさしくない状況を解消するという側面もありました。

新型コロナがもたらした変化

・・・と、ここまでがほんの3ヵ月ほど前の状況だったわけですが、この状況は新型コロナ危機によって一気に水を差されることとなりました。いまや「どこの誰かもわからない他人が使った(触った)ものを共有する」のは感染防止の観点から完全に控える方向になりました。スーパーなどでのビニール袋有料化が実施された矢先の緊急事態宣言で、むしろエコバッグが歓迎されなくなるという大変皮肉なことも起こってしまいました。

消毒や手洗い・うがい、接触の回避が推奨される(photo by iStock)

とはいえ、先に挙げたようなニーズの側がなくなるわけではありませんので、私たちは次の時代に向けた新しい共有の仕組みが必要になってくるでしょう。