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新しいビジネスは「偏在」を発見することから生まれる

『問題発見力を鍛える』vol.14
「問題解決」よりも「問題発見」が重要になっていく時代に必要なことは何かを考える細谷功氏の連載『問題発見力を鍛える』。第14回の今回は、問題=偏在を解消することが、どのように新しいビジネスにつながるのかを解説します。

「遍在」を発見する

前回の期待値管理に関連して、問題とは何かの一つの答えは「ギャップ」であることでした。これを別の観点から応用すれば、問題とは「偏在」であるという定義もできます

偏在とは文字通り「偏って存在している」ことで、「こちらにはあるがあちらにはない」あるいは「こちらは満員だがあちらはガラガラだ」というような状態を指します。

 

これがなぜ「問題」になるかといえば、当然偏在は何等かの不公平を生みだしたり、稼働率の高低差を生み出します。

ビジネスでのわかりやすい例でいえば、価格というのは需要のひっ迫度によって大きく変化しますので、需要変動が大きいような商品やサービスではこのような偏在が存在することになり、それに伴って価格も大きく変動することになります。

需要のピーク時には顧客は必要以上に高い価格を受け入れざるを得なくなるのとともに、サプライヤの側としてはオフピーク時に必要以上に値下げをせざるを得なくなるといったことも生じ得ます。

したがって、問題発見の目のつけどころの一つはこのような偏在に目を向けることです。

シェアリングエコノミーは偏在の解消だった

昨今のビジネスのトレンドとなっていたシェアリングエコノミーは、まさにこのような偏在を解消するための解決策として登場したといってもよいでしょう。

シェアリングエコノミーの代表選手とも言えるAirbnbは、季節や曜日によって利用率に偏在が見られる部屋の稼働率を上げるための解決手段と言えます。

例えば「夏(冬)しか使わない」といった季節間の偏在、「平日(休日)しか使わない」といった曜日間の偏在があるような部屋であれば、この偏在を解消するためにルームシェアの仕組みを活用することができます。

UberやGrabといったライドシェア(配車サービス)も、乗るときと乗らないときに差がある場合の偏在をなくすという側面があります。また、通勤時間帯などに、公共交通機関や道路などが混雑する一方で、その時間帯も自家用車通勤であれば「運転席以外のほとんどの座席が空いている」という、ことなる分野間の偏在を解消するという側面もあります。

世界的に拡大するライドシェア(photo by iStock)

他の例としては、昼と夜しか開いていない居酒屋と朝しか使わないビジネスホテルの朝食会場などは補完関係としてはぴったりはまることもあり、近年ビジネスホテルの一階の居酒屋が朝食会場になるといった「問題解決」も典型的な偏在解消の例と言えるでしょう。